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仮初めの恋人
第2章 私のフィアンセ~摂津凪子の依頼~
隣の部屋にいる母親に聞かせるためじゃなく、自らの悦びのために悪戯を仕掛けているかのように。

「挿れちゃうね……」
「ちょっ、ちょっと待っ」

ズブッと熱い火柱が突き刺さった感覚が襲ってくる。

「はっ……うっ……」
「心配しないで。ゴムは着けてる」
「いつの間にっ……」

その辺りはさすがにプロと思ったが、感情に任せて襲ってくるところは、ただ単に愉しんでいるようにさえ感じてしまう。

後背位で繋がることは一応経験あるが、はじめからその体位というのは初めてだった。

ぴたっとくっついた凪子の背中と幸二朗のお腹や胸は熱を共有し合い、凪子はその境目を見失う。

あからさまに隣の部屋に聞かせるのではあざとすぎると思ったのか、それとも単純に彼も恥ずかしいのか、幸二朗は音を立てて腰をぶつけるというよりは圧し回して凪子の中を可愛がってきた。
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