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仮初めの恋人
第2章 私のフィアンセ~摂津凪子の依頼~
絶頂の衝撃に見舞われてる最中も幸二朗の腰は止まない。
ズクンッズクンッと熱っぽい痺れがこみ上げ、歯を食い縛った。
麻酔をされて痛みを感じなくなった身体に刃物を突き立てられているような感覚だった。

「凪子……」

耳許で幸二朗が囁く。

「早く……イッて……お願いっ……狂いそうなのっ……」
「ああ。わかった……んうっ……」

促すとすぐに幸二朗は熱い吐息と共に腰をびくびくっと震わせ、唾精したことを伝えてきた。

最初から最後まで後ろから抱き付かれた姿勢のままというのは初めてのことだった。
普段は野蛮な感じで愛らしくないと感じていた後背位だったが、今日のこの繋がりでその考えも改めざるをえなかった。

「可愛かったよ、堪える凪子」
「もう……意地悪なことばっかりして……」

母には恐らくセックスしていたことがバレてしまっている。
とてつもなく恥ずかしいけど、これで母もフィアンセと信じてくれるだろう。
そう思い、幸二朗に感謝していた。
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