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第2章 私のフィアンセ～摂津凪子の依頼～

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「おはようございます」

翌朝、幸二朗はいつも通りの裏表を感じさせない笑顔で母親に挨拶をする。

「おはようございます。大したものはありませんけど朝ご飯です」
「うわぁ。焼き魚に卵焼きに味噌汁。最高の朝ご飯ですね！」

母もいつも通りの笑顔を見せ、まるで昨夜のことがなかったかのように思える。
しかし--


「凪子も早く顔洗ってらっしゃい」

そう言った母の顔はほんの少しだけ気恥ずかしそうに見えた。

「うん」

やはり昨夜のことは聞かれていたのだろう。
凪子は母親とは目を合わさずに洗面台に向かった。

朝食後は特に観光名所もない付近を散歩し、電車の時間が迫ってきた。

「ちょっとお土産もの見てきますね」

駅に着いてから気を利かせたのか、幸二朗は一人で気の利いたものなど何も置いてなさそうな売店へと消えていった。