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第3章 初めての彼氏～郁野真莉の依頼～

高校に入るとさすがに少しは傷も癒え、多少の友達は出来た。
しかしそれは自分と同じように物静かで目立たない女子に限定されていた。

異性との交流なんて当然あるはずもない。

そもそも男子が怖い真莉は一方的な片想いすら抱くことが出来なかった。
さすがにこれではいけないと思い、大学に入ったら変わろうと考えたものの、そもそもクラスなどもない大学というものは自主的に動かなければ何も変わらない。

結局四年間で彼女は孤独感を心の中で育てるだけに終わってしまった。

そして現在の会社に入社。
大学生活の孤独が更に引っ込み思案に拍車をかけさせた結果、職場での人間関係形成も微妙なものになってしまっていた。

もちろん学校と違い、会社は与えられた仕事をこなすところだ。
同世代の社員達と仲良くなれないからといって子供じみたイジメもされなければ、居場所がなくなることもない。