パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第3章 初めての彼氏～郁野真莉の依頼～

恐らくテレビのバラエティー番組の請け売りなのか、洒落にもならない失礼なことを大声で言って笑った。

その一言で真莉の夢は瞬時に醒めた。

慌てて秋希の手を離し、俯いて隠れるように道の端に避ける。

「おい、貴様……」

秋希は間髪入れずにその若者に詰め寄り、最初に指差した方の男の胸ぐらを掴んでいた。

高身長の彼がそうすると、学生風の男はほとんど吊されるような格好になる。

「何がおかしいんだ？」

その気迫は辺りの空気が痺れるほどに激しかった。
掴まれた男は驚きと恐怖の表情を貼り付かせ、声も出せない。
仲間の男も一瞬で怖じ気づいたのか腰を引き気味に顔を引き攣らせていた。

「やめてっ！」

真莉は慌てて秋希の腕を掴んで止める。
その隙に男二人は慌てて逃げ出していった。

「真莉……」
「いいの……笑われて当然だもん……こんな子豚ちゃん、秋希さんの隣にいたら……」

涙で途切れながらそう呟き、頬を濡らしながら笑った。