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恋人上司と秘密の甘い夜
第4章 理由


その光景がスローに見えた後、ズキズキと胸が痛み出す。


でもきっと仕事仲間としての間柄だ。

それに彼女は私なんだから、野仲さんより大切に思われているはず。

頭ではそうだと分かっていても入れない輪と知らない過去に嫉妬して嫌な気持ちが湧いてくる。



「梨木さん手が止まってるわよ」


「すっ…、すみません」


デスクに戻ってきた飯近さんに注意されて作業の続きに取り掛かる。

でも動揺していたせいで重ねていた書類に肘が当たりドサッと落としてしまった。急いで拾うけど指で滑って苦戦する。



「紙って1枚だけだと取りにくいことありますよね。こういう時は指サックを使うといいですよ」



いつの間にか野仲さんが隣に来て一緒に書類を拾い集めてくれる。


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