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恋人上司と秘密の甘い夜
第6章 恋人上司

後藤さんの方を振り向くと、ウエットティッシュで手を拭いていた。

誰が何を触った後に押したコピー機のボタンに触れて、さぞ嫌な思いをしていたんだろう。

一本一本丁寧に指の腹をごしごしと拭いている。



「藍紗も拭くか?……って悪い、梨木さん」


この姿を職場で見れるのもあと僅かなんだ……。


わざわざ名前を言い直す後藤さんに近づいて、胸に頭をこつんと当てた。


「誰もいないんですから、いいじゃないですか……」


「カメラに声と映像が録音されているかもしれない」

「見た感じこの部屋にカメラなんてついてないじゃないですか!」


「冗談だ」

クスッと笑って綺麗な手で私の後ろ髪を撫でてから、その手は腰へと向かう。

そのまま抱き寄せられてキスをされた。

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