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運命の人
第2章 デート
ふわふわ揺れてる時間に溺れていく

映画も、何年ぶりに見たんだっけ?

最後に見たのは、結婚する前だった気がする

1人では行けない私は、DVDでしか見てないな。。。

樹は、すぐにDVDが、出るのにもったいないって映画館には行きたがらないし。。。

頭を預けて甘えているのも、心地いい

心まで癒されているみたいに感じる

長くてきれいな指が時々髪を撫でては、すくってくる

胸まであるストレートな髪をさわられると、ドキドキしっぱなしで、クラクラする

映画は、叶わない恋の話だった

エンドロールが流れていく

頭を起こそうとすると、耳元で名前を呼ばれた


「美海。。。?」


耳にかかる息がくすぐったい


「んっ。。。」


「もしかして、耳、弱い?」


クスリと笑いながらわざと息を吹きかけてくる


「んっ。。。やめて。。。?」


小さな声で抵抗して、健人を見る

辺りが明るくなり、私を見る健人がいじわるそうに笑う


「顔が赤いよ。。。?何で?」


「知らないっ」


火照る顔を髪で隠しながら立ち上がる

先に歩いて行く私の後ろから、笑いながら健人がついてくる

ヤバい。。。このままでは、健人のペースになる

私は、結婚しているんだから。。。

ダメっ。。。

今日だけって思ってたのに、今日だけじゃ終われなくなる


「美海、待てよ?」


腕を捕まえられて、立ち止まるとドキドキする


「少し、話しない?」


カラオケボックスに入ると、ソファーに並んで座る

少し、間が開いているのが私と健人の関係の距離みたいに感じて寂しくなる


「美海は結婚して何年経つの?」


「6年かな。。。健人さんは結婚してないの?」


「してないよ

結婚するって思ったのは美海だから?

ちなみに、彼女もいない。。。」


「え。。。?」


「3年前からずっと見てるだけだった

今日は手の届く距離にいる。。。

初めて美海を見た時に感じたんだ

美海と結婚するって。。。?

運命みたいなもの、初めて感じた」


「でも、私は、結婚している。。。」


「知ってる。。。」
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