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第2章 デート

「ごめん。。。」


健人が私の体を起こして、抱きしめていく


「つい、夢中になりすぎたよ。。。

泣かないで。。。？」


違うのに。。。健人のせいで泣いているわけじゃないのに。。。言えない私は、ただ泣いてた

幸せになれると思っていた結婚生活は、色褪せてしまい、自分の主張をのみ込んで我慢していた

子供の出来ない私は、欠陥みたいに言われて傷ついても、旦那の前で泣くことすら許してもらえなくなっていた

きっと健人も、初めは泣いても心配してくれるだろうが、毎日の日々の中で、煩わしさを感じていくだろう。。。


そんなに泣くことなのかよ？


更に責めたてるこの台詞を言うに決まっている

何度も旦那に言われては、鬱陶しがられた

いつしか、家では泣けなくなってた


「泣いていいよ。。。

ずっと抱きしめててあげる。。。

１人で泣かないで？」


「ごめん。。。すぐに泣き止むからっ。。。

離して。。。」


優しくしてくれる健人の体から離れようとするが、離してくれない

諦めて、抱きしめられていると、心が落ち着いていく


「もう、大丈夫。。。ごめんね？」


健人に笑いかけると、髪を撫でてくる


「美海は、笑ってる方がいい。。。」


「うん。。。そうだね？」


泣いていた理由も聞かない健人を見る


「好きだよ。。。ずっと見てた」


健人のきれいな顔が私を見る

こんな風に、好きだと言われたのは何年ぶりなんだろう。。。

ドキドキしないわけがない。。。

ヤバい。。。私は、もう、好きになっていると思う

恋に溺れていくみたいに、思考回路は健人で一杯だ

私の心を見透かしたように見る健人の瞳が私を捕らえている


「美海は。。。？」


逃げられない。。。


「俺のこと、嫌い？」


手が髪を撫でている

もう、逃げられない。。。ダメなのに。。。


「嫌い。。。じゃない。。。」


「美海。。。好きだよ？美海は？」


耳元で囁きながら、髪を撫でていく

頭はクラクラしすぎて、何も考えられない

こんなに、ドキドキしたのは初めてで、クラクラするのは初めてで、安心できるのはきっと健人だからだ

口にしてはいけない台詞を言ってしまう。。。

もう、健人しか考えられない。。。


「健人。。。私も好き。。。」