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運命の人
第22章 同窓会
「健人?」


ショールを脱いで、健人が見える通路に近づいていく

顔を出して、すぐに引っ込めた


かわいい女の子。。。


何かを話ながら、もめているように見える

耳元に声が聞こえてくる


「元カノだな。。。」


振り向くと、手で口を押さえてくる


「声、出したら気づかれるぞ?」

後ろから抱きしめられるみたいに口をふさいで、肩に顔を乗せてくる拓人を睨むと、耳を舐めてくる

健人を見ると、かわいい女の子の頭を撫でているのが見える



え。。。


イヤ。。。


私以外にさわらないでよ。。。?



体が固まり、健人を見るが泣いているらしい女の子を慰めている


「美海。。。?涙。。。」


拓人が私から離れて、涙を拭っていく


いつの間にか涙が勝手に流れていた


「みぃ。。。?大丈夫?」


拓人の唇が近づいてきた時、泣いている女の子が健人に抱きついていくと、健人が受け止めていくのが見えた


ガタン


思わず、バッグが手から離れて落ちてしまった

拓人がバッグを拾おうとした瞬間、健人とかわいい女の子が私を見た

健人と目が合った瞬間、女の子が更に抱きついていくのが見えた


「美海、行こう?」


拓人が私にバッグを渡してくる

バッグを受けとると、慌てる健人が女の子を振り払おうとしている

気づいた時には走っていた



知らない。。。

あんな健人の顔。。。

私以外を見てない顔してたくせに。。。


会場を飛び出すと、タクシーに乗り込もうとした

腕を捕まれて、タクシーに乗れなかった


健人が私の腕を引っ張り、私を見る


「誤解だよ。。。」


「知らないわ。。。何も知らない。。。」


何も気づかなかったふりをしていく


「私、気分が悪いから先に帰るね?

健人は、まだ、ゆっくりしていって?」


次に来るタクシーに乗ろうと健人の腕を離そうとした


「美海。。。?

ちゃんと話をしよう。。。?」


「話。。。?

話なんて、ないじゃない。。。」


「でも、美海、泣いている。。。」


勝手に流れていた涙にさえ気づかなかった


「え。。。?」


頬に手をあてると冷たい。。。


「美海?話しよう。。。」


「私には、話なんてないわ。。。

健人が女の子を抱きしめて頭を撫でていた

ただ、それだけよ。。。」
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