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運命の人
第30章 夏祭り
お昼前に実家に行くと、お母さんが浴衣を広げていた


「浴衣?」


「だって、今日はお祭りでしょう?

海人の分も作ったのよ?

ほら、美海のとお揃いで。。。

去年は、まだ出産したばかりで着られなかったし今年は着てほしいなあと思って待ってたのよ」


笑顔で笑うお母さんは、海人に早く着せたいようだ


「でも、健人の家に行くのに。。。」


口ごもると、お母さんが笑う


「大丈夫よ

向こうのお母さんと、選んで一緒に買ったの

健人くんの着付けは向こうの家でしてもらう予定だから?

私が着せたら運転に困るからねぇ?」


「え?そうなんだ。。。」


私の水色の浴衣と海人の紺色の浴衣を見る


「じゃあ、着せてよ、お母さん?」


海人に着せていくと、かわいい


「まあまあ?かわいいわぁ」


はしゃぐお母さんが写真を撮りだしていく

しばらくすると、よちよち歩いていく海人を横に、私の着付けもしてくれた

髪を結い上げてきれいにまとめていく


「まだ、美海に着せてあげられることができるなんてね。。。?

もう、ないと思っていたわ。。。」


樹は、祭りとか好きじゃなかった

浴衣を着たこともなかった

最後に着たのは、何年前だろう。。。

多分、拓人と行った高校三年の夏が最後だ

久しぶりに着る浴衣は、動きにくい


「出来たわよ?

やっぱり水色が似合うわ。。。



たっくんが選んだのよ。。。


美海には、水色が似合うって。。。?


何年経っても、たっくんも変わらないわね?」


「え。。。?拓人が。。。?」


言葉に困る私にお母さんが、笑う


「向こうのお母さんが、運転手で来たんだけど、たっくんがこれが似合うって言うから?

いけなかった?」


「そうなんだ。。。」


浮かれていた浴衣が、色褪せて見える

何も気づかないお母さんが私に聞いてくる


「ねえ?

夕方には、海人も行っちゃうんだから、3時までは、連れて歩いてきていいかしら?」


時計を見ると、2時間くらいある


「いいよ

健人と留守番してるから?」


浴衣を着た海人を見せびらかしたいお母さんとお父さんを見送った
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