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第31章 家出

その後、少し気まづい空気が流れた

無精子って？

精子がないってことだよね。。。？

聞けないけど、気になる

子供達を見る

確かに、拓人には似ていない

海人は健人にそっくりだ


「だからさ？」


意味ありげに笑うお義姉さんが私を見る


「海人。。。唯一の跡取りなんだよ。。。

取られないように気をつけて？」


「え。。。？どういう意味？ですか？」


「そのままよ

美海ちゃんが離婚したくなったら海人は取られてしまうわよ？」


「っ。。。」


離婚。。。そこまでは考えていなかった

でも、拓人と浮気して私は、健人が元彼女と浮気しても何も言えないし聞けない

しかも、兄と浮気したんだから、追い出されても仕方ないんだろう。。。

出来れば、２度目の離婚はしたくない

浮気した私が言うのも何だが、健人が浮気したら許せないだろう。。。


「まあ、ゆっくり考えて？

私には関係ないわ。。。

拓人は離婚には応じてくれないし、彼も結婚しているの。。。

一緒にはなれない。。。

結婚なんて、本当に好きな人とは出来ないものなのよ

結婚した頃は幸せだった

やっと私だけの拓人になったと思ってた

でも、実際は違う

拓人は、自分じゃない男の子供を受け入れて、私を拒絶した

行き場のない私の心は彼に向かった

彼は、幼なじみなの。。。

ずっと近くにいたのに気づかなくて。。。

ただ慰めてもらった、あの日の過ちで妊娠してしまった

彼の子供だと気づかないまま産んで育ててた私に、拓人は拒絶していた

彼の子供だと気づいた時には彼も結婚してしまって。。。

やり直しができないの。。。

拓人は、今も愛や他の女と浮気しているくせに、私も抱くわ。。。

彼だけの私にはしてくれない。。。

だから小さな仕返しをした

二人目は計算して妊娠したわ。。。

もう、離婚は絶対に出来ない代わりに、今の生活を手に入れた

彼だけが、私の心の拠り所なのよ。。。




運命の人なんて。。。いないって思ってた



ずっと昔から一緒にいたのに。。。

気づかなくて。。。

気づいた時には遅かった。。。

初めから、美海ちゃんにはなれないってわかってたのに。。。

拓人は運命の人じゃなかったって気づいたのが遅かった」