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第31章 家出

ポカンとするとはこういうことだろう。。。

子供達は、拓人の子供じゃない

拓人には子供が出来ないんだ。。。

お祭りで見た二人は、お似合いのカップルに見えた


「彼。。。お祭りで会った人は、知ってるんですか？」


思わず声が上ずってしまう


「知ってるわよ。。。

彼の奥さんには、子供がいないの。。。

作る気はないみたい。。。

子供達には、１度も会わせたことない

彼も会わなくても家族と同じくらいに大切に思ってるから、いつか会えるまで待つって言ってくれてる

あの人に会わせないのが、今の生活の条件の１つだから。。。」



「っ。。。そんな？

子供達も、いつか知ってしまったら傷つくじゃないですか。。。？」


思わず声が出そうになる言葉を飲んだ



ひどい。。。



やっぱり、拓人の選んだ１番の女は強かな女だ。。。


廊下から健人の声が聞こえてくる

帰ってきたようだ


「義姉さん？

美海、帰ってきたか知らない？」


お義姉さんがいじわるそうに笑う


「知ってるわけないでしょう？

拓人は、一緒？」


「ああ。。。本当に知らないの？」


健人の心配そうな声にしめつけられそうになる


「知っていたら、どうする？」


意味ありげに笑うお義姉さんは楽しんでるのがわかる


「心配なんだよ？

知らないなら、まだ帰って来てないってことだろ？

やっぱり、俺探しに戻る」


玄関のドアの音が聞こえた瞬間、部屋の扉が開いた


「おい？

美海、いるんじゃないか。。。？」


拓人が入って来て私と目が合う

堪らなくなり葺いてしまう。。。


「美海、話しよう？」


拓人が強引に引っ張っていく

暴れて抵抗するがかなわなかった


拓人の部屋に入ると、優しく抱きしめられていく


「よかった。。。無事で。。。」


どうして？心配したってこと？


「あの後、追いつけなくて。。。

また、俺の前からいなくなったらどうしようって。。。怖かった。。。

もう少しだけ。。。抱きしめていたい。。。」


ずっと好きだった腕の中は温かい。。。

優しく抱きしめ返すと、強く抱きしめられていく








「続き。。。いい？」