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第31章 家出

子供達のいる部屋に入ると、ため息が出る

薄暗い部屋で見る子供達は、可愛らしい寝顔だ

海人の頭を撫でながら、心は決まっていた



朝一番に、海人を連れて出よう。。。


しばらく、健人と距離を置きたい。。。

そう思った


自分と海人の荷物は、まとめてある

朝一番に、タクシーが来てもらえるように予約の電話をした

まず、家に帰り荷物と、結婚前の自分の通帳を取りに行かないと。。。

実家には帰れない。。。

しばらく運転していない、預けてある自分の車は取りに行かないと。。。

海人を連れて、車もないのはさすがに行動しづらいだろう。。。

お母さんに、怪しまれないように車を取りに行かないと。。。

色々考えていると、眠たくなってきた


遠くで、音が聞こえた


健人が帰ってきたようだ

ドアの外から声が聞こえる


「美海、帰ってきた？」


「海人と子供達と寝てるよ。。。？

元々は、お前が元彼女を突き放せなかったから美海が逃げたんだろ？

俺に怒るのは違うと思うが？」


拓人の声が聞こえる


「っ。。。わかってるよっ

帰ってきてるならいい。。。」


扉が開いて、健人が私の頭を撫でながら話しかけてくるのが聞こえた


「美海、ごめんな。。。？

おやすみ。。。」


いつまでもいなくならない健人に、寝たふりしているのがバレているんじゃないかとドキドキする

頭を撫でられていると、不思議と安心して眠りに落ちていった


「おやすみ。。。」


優しい手のぬくもりは、安心出来る


でも、この手は私の知らない、知らなかった女を同じように撫でながらさわっていたのだろう。。。


誰にでも過去はある

わかっているけど、やっぱりイヤ。。。

わがままな私。。。

独占欲が強く自分勝手だ


朝、目が覚めてタクシーが来るまで準備していく

まだ寝ている海人を抱っこひもで抱っこしていく

玄関の外には、拓人がいた

タバコを吸いながら、空を見ている

私に気がつくと、タバコを消す


「タクシーなら、金渡して返したから。。。？」


え。。。？何て言った？


拓人が、私から荷物を取り上げて持っていく


「どこへ、行くんだ？」


「１人で帰るだけよ。。。」


拓人が、荷物を車に入れていく


「送ってやる。。。

乗れよ。。。？」