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運命の人
第10章 別れ
話し合いの日、樹の前に座る

全員が私を見ている気がした

樹の両親が私をなじるように罵倒しているが、声は聞こえるが何も感じなかった

樹と、睨み会うだけの私達に、あきれたのか、両親は言いたいことを言うと黙った

1時間くらい経っただろうか。。。

樹の両親が黙った後、睨み合う私達にお母さんが樹に話していく


「美海と、離婚してもらえませんか。。。?」


どちらからも、離婚を口にしないズルい私達に痺れを切らしたようだ

樹の母親が大きな声で、お母さんを罵倒していく

そんなやりとりも、頭には入らない

言い合う親たちが存在しないかのように、睨み合う私達にお父さんが口を開いた


「どんな理由があるかは、当人しかわからないだろう

でも、私の娘をこんなに傷つけたのは許せない。。。」


樹に殴られた後や、縛られた痣の写真を樹の両親の前に並べていく


「別れてくれるね?」


声は優しいお父さんが私達を見る


「もう、樹くんも美海を許すことは出来ないだろう?」


樹が私を見る


「何で。。。?俺達、うまくいってただろう?」


ようやく、口を開いた樹は未だに、そんなことを言うのか。。。と滑稽に見えて仕方がない


「うまくいってた?

ずっと、私が合わせてただけ。。。

ずっと、うまくなんていってなかったわ。。。」


「それでも、うまくやって来れたはずだ。。。」


「でも、もう出来ない。。。

私達、もう無理よ。。。」


樹の涙が流れていくのが見える

この人は、私を愛してなかったくせに、何で泣くのだろう。。。?


「美海は、自分さえ良ければいいんだね。。。?

離婚した後の俺の会社での立ち位置や、世間の目は考えてくれないんだ?」


ああ。。。そういうこと。。。

ますます、滑稽だ

おかしくて堪らなかった


「ふふっ。。。バッカみたい。。。」


思わず口に出てしまうと、全員の非難している目が私を見る


「私を好きじゃなかったくせに。。。

愛してなかったくせに。。。

いつも、気にするのは、周りなのね?

バッカみたいね?ふふっ」


バシンと、樹に頬を叩かれた

頬が熱く腫れていくのがわかる


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