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僕は、ヱッチな小説を書キてゐゑ
第7章 あなたに似た人
自分の知っていること、馴染みのある内容には興味を惹かれ、好感を持って受け入れようとする。逆にそうでないものには関心を持たず、視界に入ってくるだけで嫌悪感すら抱く。
つまり、書評活動で私がみせた「書き手としての必死さ」みたいなスタンスが、やはり同じように「書き手としての必死さ」を抱えた方の「共感」を得たということだ。
書評活動は私に多くの収穫や心の支えをもたらしてくれたが、この「共感」に対する気づきが一番の成果だったと思う。
違いがあるのは当たり前だ。でも完全にすべてが違うという事はない。あなたに似た人は必ずいる。どこか同じ部分がひとつでもあれば刺さる。自分を押しつけるのではなく、相手を引き寄せることを考えるのだ。
「エロ小説家になる」「仕事の依頼が来たよ!」「本を出す」「発売日決まった!」「今年は三冊本を出す」「なんとか二冊目までこぎつけました!」目標を口に出し成果を報告するたび、私は周りからプレッシャーを受けた。
「なにいってんの?」「できるわけねーだろ」「目立ちたがりか」「無視無視」etc
これは、そういう反応をくれた人たちが心が貧しいわけではない。私も恨んだことなど一度もない。
考えてみればごく当たり前のことなのだ。
何故なら私のこの発言は彼らにとって異質なものだから。日常馴染みのないものだから。
ともすれば彼らの平穏をすら危ういものにしかねない――もしかして、自分の方が間違っているかもしれない――そう感じさせる言葉だからだ。