この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
僕は、ヱッチな小説を書キてゐゑ
第7章 あなたに似た人
そう、転生するまでもなく、現代に生きてる人たちって、「異世界行ったら本気出す」を地でやってんですよ。「本気になれない実世界」に私たちは生きている。ゲーム(異世界)でなら本気出す。そんな、なんだかちょっと息苦しい世界に。
これ、主人公のことじゃなくて私たちのことなんです。
このタイトルが暗に示しているのは。
ネットゲームしてなくたって一緒。ゲームにしか本気になれないタイプの人のほーが刺さるでしょうけど、なんかシラけた世の中だなっていうのは誰でも感じ取れること。
そういうキャッチーな、世の中の空気をズバッと言い表している内容がタイトルなら、誰だって、たとえ、今私が説明したように理屈で理解してなくても、直観とか無意識が反応してサブリミナルコントロールのように気になってしまう。なんか引っかかる。
この作品は決して異世界転生ものの先駆ではなくて、むしろその後発パロディーみたいな展開になっているんだけど、もうすでにサイト内に「異世界転生モノ」が溢れる中で、決して流行りに乗っかって書かれたわけじゃない。
作者さんが、世の中のことを一生懸命観察して、考察して、そして感じたことをこのタイトルに込めている。
異世界ファンタジーなんだけど、もう作品コンセプトは冷徹なリアリズム。そうじゃないと考えつかないタイトル。だから人の心に響くんですね。
いやーたまたまじゃない?
そう思うなら全部読んでみて欲しい。
私は最終回のラストシーンで涙を流した。