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僕は、ヱッチな小説を書キてゐゑ
第2章 デビューに絶対必要なもの
ハイ、いいですか~。
ここからがキモなんで、スピードアップしますよ~。
彼らは、山に持っていくものを厳選します。何をリュックに入れて、何を入れないのか。ひとつひとつ重量を測って、必要な物であっても、徹底的に軽くなるよう、必要最小限の容積になるよう、非常食のキャラメルを四粒にするか五粒にするかという極限のレベルでまで考えて考えて考え抜いて、何度も紙に書いて、装備をリストアップしては消し、あるいは付け足し、気が遠くなるほど繰り返して、それからリュックに詰めます。
山登りで頑張る前に、その段階で超頑張る。
なんでそんなことをするのかと言うと、まさにコレがこの章でお伝えしたい大事なことなんですが……。
A:「ここまでした」という思いを最後の装備として手にいれるために。
そこにイチかバチかというやけっぱちな思想はありません。
自分を妄信する楽天的な無責任もありません。
やれることは全部やったという思い。それが逆境で自分を支えてくれる。
まず凄いのはやること全部やってなお逆境を想定してるとこ。
やれるだけやったって……でも、結局、登り切れないかもしれない。
でも、その「思い」は、もう手の打ちようがないくらい追い詰められた状況で命を救ってくれる、自分を山の頂へ導いてくれる最後の装備となるのだと。それを手に入れるために、やってんだと。
逆境織り込み済みの上で、更にそれを運でも他人でもない他ならぬ自分の努力だけで打ち破る意思、覚悟、その姿勢。