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僕は、ヱッチな小説を書キてゐゑ
第9章 コンテスト受賞作の作り方
しかもノリで応募したもんだから、日本語教師の資格すらないっていう。
外国人への日本語の教育方法を全く知らない。「て形」とか「ない形」という外国人専用の動詞活用の教え方があるなんてことも全く知らないで、そんなことをやるハメになっちゃったわけです。
赴任前には友達なんかに「絶対、日本語以外喋らないよーにしろよ」なんてアドバイス受けてね、ほら、いるでしょ、うっかり現地の言葉が達者なとこ見せちゃって、せっかく外国人なのにずーっと現地語で授業になっちゃうLLの先生。授業がただのお喋りタイムにっていう。あーなったらアカンと。
でも、そんなこと言ってらんなくなっちゃった。
文法教えるのにそれでは誰もついてこれない。だから、考え方を切り替えて、その国の言葉で日本語の文法だのなんだの全部教えることに。
日本語の勉強だけでなく、その国の言葉も必死で学びながら教案を作る。エライことなっちゃった><
そんな私も本当に無責任だったと思います。
学校側にも問題があった、テキトーすぎるお国柄なんですよね。どっちも褒められたもんじゃなかった。
必修クラスは毎日に2コマの授業がある。
つまり、1日90分。週5日。合計450分。
この分の教案を作らなければならない。
文庫本って一冊だいたい2~4時間ぐらいで読めると思います。もう少し長いかな。日本人平均読速500字/分で計算すると6時間ぐらいか。
450分=7時間30分なんで、つまり毎週文庫1冊分の内容を用意しなければならない。
もちろん字数は違います。
あれをやるとかこれを教えるっていうことを決めるわけですから、教案というのはプロットに似ている。執筆とは違う。
ただ、調べものだとか教材の準備が別途あります。
それに加えてホームワーク(宿題)の添削や試験問題の作成、補修授業、特別授業、更にはネイティブスピーカーとして他の教員(アナ先生)の授業のヘルプに入ったり。その打ち合わせだとか。