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僕は、ヱッチな小説を書キてゐゑ
第9章 コンテスト受賞作の作り方
教育実習ってけっこうハードと聞きます。
実習期間の最後に生徒と別れを惜しんで涙を流されている光景を学生の頃よく見ました。
その時はわからなかったけれど、今では私もそれがよくわかる。
ただの惜別だけではなくて、死ぬほどの思いで毎日「指導案」をつくっては慣れない教壇に立ってを繰り返して……というそんな思い出と、そして自分と別れを惜しんでくれる生徒の笑顔や泣き顔がわーっとオーバーラップして思わず零れる涙なんだろうなー。
ベテランの教員だと、去年使った教案がある。
学年が持ち上がりじゃなかったとしても、過去に作った教案をベースに授業を進められる。
でも新人教師はそれがない。
毎回作っては授業、作っては授業。教案は消費されるだけで、次々と新しい内容の授業を進めなくてはならない。
そこへもってきて、毎日2コマというのがまた厳しい。
2クラスを毎日1コマずつだったら進行ペースは1/2になりますし、前のクラスでの経験を活かして同じ教案で少し進化した授業ができる。自分の成長を同じネタで確認できる。
でもそれができない。
一度やったネタは二度とやらない芸人みたいな><
けっこう忙しいどころのレベルじゃなくて、正気の沙汰ではなかったです。
毎日が常に締め切り。翌朝の朝五時には起きて七時からの特別授業(これはドリルみたいなのを生徒にやらせて監督してるだけで良かった)のあと、午後あるいは午前に90分授業。残りの時間で教案作りとその他業務。。。
救いは部活の指導がなかったことですね。途中で野球部を作ってその監督をやってくれというオファーが学校からありましたけど、断りました。無理。