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僕は、ヱッチな小説を書キてゐゑ
第9章 コンテスト受賞作の作り方
店長は話してくれました。今度は自分の話を。
甲子園を目指して、しかし、その努力が報われなかったことを。三度の夏は三度とも、地元から一歩も出ることもなく終わったことを。
推薦で入った大学でも、一年のときに怪我をして選手を断念せざるを得なかったことを。
それでも挫けずに、在学中から宅配便のバイトを始めて寝る間も惜しんで働いたことを。
カネを貯めて自分の店を持つ。
スポーツショップがいい。近所の子たちが集まれるような店にしたい。そしてそんな子たちに野球を教えてやりたい。自分の叶えられなかった夢に向かっていくその姿を応援してやりたい。
しかし、付き合っていた彼女が妊娠。「結婚しよう」とプロポーズをする。
もっとお金がいるようになる。仕事を増やす、寝ないで働く。
ある夜、トラックを運転中にウトウトしかけた彼は電柱にぶつかりそうになる。危機一髪で目が覚めて激突は免れた。しかし。