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僕は、ヱッチな小説を書キてゐゑ
第9章 コンテスト受賞作の作り方
別のものにぶつかっていた。
どうしてそこにいたのか。そんな時間に何をしていたのか。
何をしていたのかは明白だった。
道路に倒れていたのはバットをしっかり握りしめたまま意識を失っている小学生ぐらいの子供だった。
近くには公園がある。
そこで夜遅くまでバットを振っていたのだろう。
その子供を轢いてしまった。
幸いなことに命に別状もなく、怪我も大したことはなかった。
店長がそのとき何を思ったかは語らなかったので、私は知らない。
だが、彼は仕事を辞めた。もう二度と野球にかかわる資格はないと自分を責めたのかもしれない。
そして今のカレーチェーン店に入ったのだそうだ。
店長は私に言った。
「お前は夢を持ってる奴だ」
「夢? 夢なんか別に……」