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僕は、ヱッチな小説を書キてゐゑ
第9章 コンテスト受賞作の作り方
「持ってんだよ! 持ってる奴は見ればわかる。お前が自分で知らなくても俺にはわかる」
「……」
「夢を持ってるから、そうしているんだろう。あきらめたくないから、どっちつかずでいるんだろ? 外の世界に出て夢が叶えられなかったらどうしようって思うから部屋に引きこもっていたんだろ!」
「でも……それは」
「黙って聞け! 俺はお前に心を教え忘れたわ。一番最初に教えなきゃいけなかった。心がなかったら、なんもできんのや。心を勉強しろ」
「心……て何ですか」
「知らん! 心は心やろーが」
「心……」
「おう。心ができたら夢追っ掛けられるんや。そんでな、挫けてみろや。夢あきらめてみろや。あきらめろや! 何度でも、何度でも、あきらめろや! あきらめて、あきらめて、あきらめて、あきらめて……あきらめられるうちに何度でもな!」
もう、夢をあきらめることすらできない。
店長の言葉は、当時の私にはまだよく意味がわからなかったのだけれど、ケータイの向こうから聞こえる大きな地声は、いつものように温かくて、そして厳しかった。
そして、なんだか私にではなく、店長が自分自身に言い聞かせているようにも聞こえた。
「……俺から教えられるのはそれだけや。最後に教えたる……心を作って来い。お前はまず最初に心が必要な奴やったんや」
「……」
「夢を持ってるから、そうしているんだろう。あきらめたくないから、どっちつかずでいるんだろ? 外の世界に出て夢が叶えられなかったらどうしようって思うから部屋に引きこもっていたんだろ!」
「でも……それは」
「黙って聞け! 俺はお前に心を教え忘れたわ。一番最初に教えなきゃいけなかった。心がなかったら、なんもできんのや。心を勉強しろ」
「心……て何ですか」
「知らん! 心は心やろーが」
「心……」
「おう。心ができたら夢追っ掛けられるんや。そんでな、挫けてみろや。夢あきらめてみろや。あきらめろや! 何度でも、何度でも、あきらめろや! あきらめて、あきらめて、あきらめて、あきらめて……あきらめられるうちに何度でもな!」
もう、夢をあきらめることすらできない。
店長の言葉は、当時の私にはまだよく意味がわからなかったのだけれど、ケータイの向こうから聞こえる大きな地声は、いつものように温かくて、そして厳しかった。
そして、なんだか私にではなく、店長が自分自身に言い聞かせているようにも聞こえた。
「……俺から教えられるのはそれだけや。最後に教えたる……心を作って来い。お前はまず最初に心が必要な奴やったんや」