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僕は、ヱッチな小説を書キてゐゑ
第9章 コンテスト受賞作の作り方

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★シーン1(最終稿)
最高の食材?
究極の調味料?
この世で一番のご馳走?
そんなもの、決まっています。
それは――
天才料理人 キロス
軽装の革鎧を着た女剣士、ローブに身を包んだ女魔導士。二人を取り囲むサバンナタイガーの群れ。
魔獣たちが牙を剥き、低い唸り声を発しながら、円を描いて周る。
だが、二人に怯えた様子はない。むしろ不敵な笑みさえ浮かべている。
「ふん、ぞろぞろと腹ペコ面を並べやがって……生憎だがお前ら、ランチなら他を探すんだな。さもないと、永遠にメシが喰えないことになるぜ……」
「それともお茶のお誘いかしら? でも、レディを誘うならもっと品良くなさらないとね……」
ガウッ……グワオオオオオッ!
二人の軽口が気に障ったかのように、猛獣たちが一斉に飛びかかる。
「てりゃあああっ!」
抜き払われた女剣士の白刃が、照り付ける太陽の光を反射して眩しく輝く。振り下ろされる牙と爪を掻い潜り、剣が舞う度、獣は血飛沫を上げて倒れる。
背後では、目を閉じた女魔導士が優雅な仕草で呪文を詠唱していた。
「……オーミ・ロッソ・クラディ・ヘスト! 目覚めよ焔魔、地獄の蛇よ!」
その華奢な手に握られたワンドが光を発して一瞬後――

