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僕は、ヱッチな小説を書キてゐゑ
第9章 コンテスト受賞作の作り方

おそらく、俳優ほど本を読み込む読書家はいないんじゃないでしょうか。
だって暗記するまで何回も読むんですよ。同じ話を。
何百回ってレベル……おそらくプロだとそれ以上。しかもキャラの気持ちをああでもないこうなのかと考え、考え抜いて。考えるだけじゃなくてキャラの言葉を口にすら出す。体も動かす。気持ちまでキャラになりきって。
役者じゃなかったとしたら、どんだけその話が好きなのっていう。かなりヤバイ領域。
ムー先生の演劇の指導は、だから、脚本分析をとても重視するスタイルでした。
とにかく読み込めと。
新しいお芝居をやるときは必ず部員全員で集まって作品解釈のミーティングを数回開いて、お互いに疑問や意見を出し合って創作物の理解を深めるということから始める。既成脚本のときは作者のプロフィールの勉強会までやってました。
その体験はおそらく私に大きな影響を与えていて、この頃に「読解力」みたいなものがグーンと伸びたように思います。作品のバックグラウンドを深く識り、そこに込められた意図を見抜く力。それが鍛えられた。
ある物語をまっとうに解釈した上で、わざと違う読み解き方を何種類もしてみるなど、このとき指導を受けたことで今でもやっていることは多々あります。
やりすぎて「C読者」気質(作者の意向おかまいなしでウェヘヘと勝手に喜びながら読む)が濃くなっちゃったのは如何なものかとも思っていますが^^;

