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僕は、ヱッチな小説を書キてゐゑ
第9章 コンテスト受賞作の作り方

このようにして、男の子の側にも同じような表を作ってもらった。
二人の主人公のウェイトが偏らないようにするためだ。

私はこのやり方を現在使っていない。
塾講師さんも使っていないはずだ。

それぞれの主人公がどういう変化をしていかないといけないかということを整理せずに進めると、どちらかだけにスポットが当たりすぎてしまうかもしれない。そうなるとこの作品の場合面白くなくなるような気がしたからだ。

それぞれのキャラが持っている命題(問題)をはっきりさせ、その解決に向かう。解決するということは途中に障害が現れるわけで、その三段階の状態について考察した。

それを明確にしてからプロットを整えていった。

ここで伝えたいのは方法論ではなく、編集者はその作品の進行中、常に作家の味方なのだということだ。

自分だって自信なんかないのである。
コンテストに受かる方法を知っていればとっくに自分でやっている。

しかし、自信がなくても作者さんにそれを気取らせれば、作者自身に迷いが生まれる。弱気になる。

だから、さも勝算ありげに――しかし、それでも自分なりに色々考えて提案する。

作者にこちらの意図が伝わらなければ根気よく、わかってもらえるまで言葉を変え説明する。



これは初稿段階へ移り、実際に書かれた原稿への添削や感想のやりとりとなっても同じだった。
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