この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
霞草
第7章 すれ違い
たった一日のデートだが、気分は小旅行だった。
勉強のあと、霞とデートのことを話す、回る順番など決めたり、些細なことだけど、霞も楽しみにしているのがわかり嬉しかった。
ゴールデンウィークに入り宿泊客は増えてきた。
馴染みの客が多いようで、街のようなカップルはいない。
山の景色を楽しむ人達だ。
食堂の手伝いをしながら街の様子を話すのが聞こえる、街は若いカップルばかりで、霞が話していたようにあちこちが混んで行列が出来ているらしい。
街に出かけるのは難しいのではないかと思ったが、
霞は混んでいる街でもいいというので、予定通り最終日に行くことにした。
当日、朝早いバスにのり、街に出かける。
自分の想いを伝えられない僕達は兄妹のようかもしれない。
差し障りのない会話を楽しむ。
街につくと、以前来た時と全然違って、若いカップルでごった返していた。
駅前でまた、二人乗りの自転車を借りる。
「行きは私が後ろね。」
霞が言う。
まずは街中のソフトクリームを目指す。
どこも、行列が出来ている。
順番がきて二つ買い、店先の椅子に腰掛けて食べる。