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霞草
第7章 すれ違い

その後、牛の乳しぼりを体験し、牧場をぐるっと見てまわり、だいぶ短くなったソフトクリームの行列に並んだ。

「待つことで、期待が味にプラスされると思わない?
街のより美味しいと思うなぁ。」

霞は待ちくたびれたのか、ぽつりと洩らす。

「似たようなこと思ってたよ。本当に行列になるんだね。」

「空いてる時でもこれるけど、約束したからね。」

小指を見せて笑う霞。

僕は、自分の小指を霞に絡め、ゆっくり手を下ろした。
そして、一度指を離し、そっと彼女の手を握る。

彼女は、恥ずかしいのか、静かになる。



「約束は守るよ。」

僕の握る手に力が入る。


ずっと一緒にいたい。
守れない約束を口にしない分、こらえている想いが手にこもる。

彼女から返される手の熱に想いは溢れそうだが、耐えていた。



順番がきて彼女が、バニラを注文したので、僕はチョコのミックスを頼んだ。


彼女が何か言いたそうにしていたが、ソフトクリームを受け取り木陰のベンチに連れていった。


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