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霞草
第8章 別離
霞には、家に帰る日は言わずに去ろう。
きっと別離が辛くなる。
「ここには明日はないのかな。私は明日から学校ね。」
水を張った箱に花を挿して僕達は戻った。
帰り道、花畑を通る。
「花束に霞草を足したら変かな…」
「いいわね。自分達で育てていて飾ることなんてなかったわ。
この花はドライフラワーにもなるのよ。」
霞がたくさん摘む。
「良ければ持って帰ってね。」
こうして僕の部屋に霞草が飾られる。
夕食には食卓の中央に野草の花束が飾られていた。
おばさんはとても嬉しそうで、
「娘にももらったことないのに、若い男の人から花束をプレゼントされるなんて…」
と言う。
「なんだか浮かれて、今日のご馳走は坊主のためか?」
と、おじさんがからかう。
自分の母親にもプレゼントしたことないな…
僕も照れくさくなった。