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傘の雨
第2章 2.空が海
スンミンの話し声が段々近くなる。

リビングのドアが開くとそこには藍が立っていた。

「え?なに急に、連絡くれてた?」

「するわけないじゃん、たまたま取れたチケット出来たんだから」

ドサッと乱雑に紙袋が置かれる。

母からの惣菜やら何やらは勝手に冷蔵庫へと仕舞われていく。

「で?あんたはなんで結鶴に冷たくしてんの?」

は?なんで藍が知ってんの?

じとっと睨みつけられてカエル状態。

「結鶴、凹んでたよ?」

なんで?凹んでるのは俺の方だし。

「彼氏との…邪魔しちゃだめでしょ…」

言葉に出すと余計落ちる。

なのに藍はやっぱりねと鼻で笑った。

「結鶴、今彼氏いないから、否定したの最後まで聞かなかったんでしょ」

彼氏じゃない?

「あと、その時いたの門馬さんっていう会社の先輩だから」

あ、そ。

「ちょっと聞いてるの?」

はいはい、聞いてます、あーだめだ、顔ニヤける。

「あと、これ結鶴から預かってきた」

赤と金色のラッピング。

藍の手から奪い取るようにすると、部屋へ駆け込んだ。

2段ベッドの上にすぐ様登って、そっと封をあける。

中からは帽子とマフラーと手袋。

風邪ひかないようにねってメッセージつき。
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