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傘の雨
第3章 涙に花
「いつって…今月に入ってからはまだ…るーになんかあったの?!」

ゆっくり口を開く藍。

『…結鶴、先月で急に仕事辞めたのよ…なんの相談もなくて、理由聞いても教えてくれなくて…ただ何となくって…もしかしたらあんたになんか言ってるかなと思って…』

「いや…聞いた方がいい??」

『ううん、もし連絡あっても知らないフリしていつも通りでお願い、何か…話したそうだったら聞いてあげて』

いつも女王様みたいに偉そうな藍なのに、その声は弱々しくて只事じゃないと思わずにはいられなかった。

気になるけど、何も無いのにメールも入れれずもやもやした時間が過ぎていく。

「ジナ、何かあった?」

何か…あったんだろうけど、俺にも分からない。
どうすればいいのかも。

俺にはこうして気にかけてくれるメンバーがいる。

結鶴にとって俺もそれになりたいのに。

その日から身近にある幸せを探し始めた。

それを結鶴に送って、結鶴が笑ってくれるような小さな幸せを。

メールを送れたのはそれから1週間も後の事だった。

“ 可愛い”

返事が返って来たのは奇しくも宿舎についたエレベーターの中だった。

後ろで誰かが何か言ってたけど気にしてられない。
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