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傘の雨
第3章 涙に花
迎えに行く理由は1つ。

結鶴の泊まるホテルを取ってないから。

メンバーに理由を話すと宿舎でいいんじゃない?となった。

それをマネヒョンは知らない…どこのホテルに送るつもりなんだろう。

珍しく21時台に仕事が終わって、車に乗り込んですぐ電話をかけた。

出ない。

隣に座ったシユンが頭を撫でてくれる。

メールの返事もない、既読にすらならない。

「疲れた〜って、いい匂い!お腹減った~」

宿舎のドアを開けた途端お腹が鳴る。

「おかえり」

お皿を運んでいたのは紛れもなく結鶴だった。

「は、にっ!?」

ぐいっと力任せに結鶴の腕を掴むと、リビングダイニングを出て、1番近い理登とジョンウ、ジェドの部屋に入った。

「…んっ!」

俺は両手を広げて、結鶴を促す。

「ハニ?」

「ん!!」

眉間に皺を寄せて、腕で呼ぶ。

結鶴は確信を持てないまでも、ぽすっと胸に落ちてきた。

「俺、怒ってるから、1人で頑張りすぎ」

「うん…」

「まだ頼りないかもしれないけど…俺はるーのためにいるんだから、俺には…何でも言ってよ…」

「うん…あ、りがと…っ…」

泣いてくれたのが嬉しくて、痩せた結鶴が哀しくて。

「ごはん、食べよ」

頷く結鶴の手を引いて、ダイニングへと戻っていった。

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