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傘の雨
第4章 熱に氷
「あっという間だったね!」

来た時より随分明るくなった結鶴に安心すると共に、もう帰ってしまう淋しさを必死に隠した。

マネヒョンからのメールを確認すると、俺は満面の笑みを堪えきれなかった。

「るー!俺明日空港まで見送りするから!仕事遅れるんだって!」

それがヒョン達の計らいであることも知ってる。

翌日、カフェでテイクアウトしたコーヒーとサンドイッチを手に、本当にちょっとだけ、なんて事のない公園のベンチで2人きりになれた。

「ハニ、本当にありがとう」

「んっ!」

俺は腕を広げた。

躊躇ってる結鶴。

「ハグするとストレスが消えるんだって!誰もいないよ」

結鶴は辺りを確認して、ぎゅっと抱きしめあった。

どうか…どうか俺が隣にいなくても笑っていて。

飛行機を見送って半日。

ほぼ時差もない夜更けに、結鶴からのメール。

『ずっとみんなでいたから、やっぱり淋しい』

良いことも、悪いことも全部言って欲しいとお願いしたからこのメールもどんなのでもやっぱり嬉しい。

「俺もだよ」

そこに行くまで、もうちょっとだといいな。


月日は容赦なく流れていく。

半年後のワールドツアー先のアメリカまで結鶴は来てくれた。

ヘトヘトだったけどみんなで食事して、結鶴は自分のホテルに帰って行った。

一緒に雑魚寝したときより俺たちは知名度が上がっていて、恋愛はご法度になっていた。
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