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傘の雨
第4章 熱に氷
アメリカツアーを終えて日本に帰ってきたのが先週。

ツアーは5箇所だけど、その間に韓国での仕事も、日本だけの仕事も入ってるから行ったり来たり。

近いからしょうがないけど、東京公演まで家に帰れないとは思ってなかった。

「日本最終日!!今日も最高を超えるぞ!!」

円陣を組んでウジンの声に応える。

昨日までの疲れがライトに照らされると溶けて消えていく。

歓声が爪先まで染み渡る。

このまま死んでもいい。


打ち上げを終えて家に着いたのは午前4時近く。

静まり返ったリビングに明かりをつけて、シャワーを浴びる。

ソファーに沈む身体は思ったよりも重い。

「おかえり」

え?と振り向くとパジャマ姿の結鶴が立っていた。

「起こした?ごめん」

首を振って、コップに注いだ水を持って近くに座った。

「ライブ、ありがとう、凄くカッコよかった」

どうしても来て欲しくてスタンド席のチケットを一枚渡した。

微妙な沈黙。

「…ハニ、あの…答え、いい?」

「あ、うん」

心臓が忙しない。

「ハニのこと、すきだよ、でも…彼女にはなれない」

「なんで?」

「…ハニは…世界中に愛されてて、私なんかが「っ!じゃあ、今から言うセリフ全部言えたら諦める」


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