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傘の雨
第2章 2.空が海
2人が指したカバンの中にはズタズタに裂かれたTシャツ。

「別に…誰でもいいし」

レッスン室の端でこちらを見て笑ってるアイツかアイツか…本当にどうでもいい。

「ウォノ、替えのTシャツあるだろ?貸してやれよ」

ウォノと呼ばれたそいつは無言で黒いTシャツを差し出した。

「ありがとう」

半年も経つと練習生は半分になった。

同室になったホン・シユン、ディン・ユエン、キム・ソンミンとは年齢を超えて毎日が修学旅行みたいだった。

年長者のパク・ウジンに怒れたのも両手両足でも足りないくらいだ。

嫌がらせも無くなって、ダンスが高度になって、それでも毎日充実していた。

「なぁ、ジナの付けてるネックレス、どこの?」

「あーこれは俺の為だけに作られたやつ」

「マジ?いいなあ、それ、かっこいい」

「俺も思ってた、羽のとこいいよな」

羽?イ・ヒョヌが鏡の前で指さしたそこにはチェーンの1つの空洞が羽の形になっていた。

そして留め具の隣も。

「影が翼にみえる」

知らなかった、結鶴がこめたメッセージ。

「恋人?」

俺は首を振る。

大切な人だけど、恋人じゃない。

でも、これのおかげで心が折れそうになる時も頑張ってこれたんだ。
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