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淫の館
第4章 1日目

「次はお粥を食べさせてください。」

「あ、ああ、すまねぇ。」

私の口元を見呆けていた弟子が慌てて返事をして、お茶のバケツから、大皿のお粥へとストローを差し替えた。

とろみと質量のあるお粥はお茶とは違い、なかなか吸い上げられず肺活量を要したが、何回かに分けて吸い上げて、ようやく口にすることができた。

「今日のお粥、塩気があって美味しい。」

「馬鹿だな、お前。味付けはいつも同じで米と水だけだ。
塩気は自分の涙と鼻水だろう。」

弟子が笑いながら、ようやく食べられた私に微笑み、手拭いで顔を拭いてくれた。

「ありがとうございます。」

「あ、いや、こうしたらせっかくの塩気がなくなってしまうか。」

弟子がまた笑う。

カナといい、この弟子の反応といい、ここの生活に馴染むことを喜びと感じさせようと、男に計算されたものだったと、
この時の私はまだ気づかなかった。

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