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淫の館
第4章 1日目

「ごちそうさまでした。」
やはり男でなく弟子に言った。
弟子は手拭いで顔を綺麗に拭いてくれた。
「着物も乾いただろう。躾は終わりだ。反動で熱が出るかもしれないから、注意して見ておけ。」
男も弟子に指示を出す。
昼食と言っても、気を失って遅い始まりだったし、食べる時間がかかって、時間の読めない暗い天気だが、もう夕方だろう。
弟子が七輪に水をかけ、板で穴を塞いでいく。
吊られた縄が竹から外されると、爪先立ちから解放された私はドサリと床に崩れ落ちてしまった。
弟子が竹を引き揚げて立たせてくれて、痺れる足の様子を窺いながらゆっくりと歩く。
襖を開けて自分の場所に戻る所で男が弟子を呼んだ。
「一人で歩けるか?」
「はい。」
「じゃあ、ベッドに寝てるといい。」
私が支え無しで歩けるのを確認して、弟子が襖を閉めて男の所に戻る。
何の用事か気になったが、あまりの怠さにベッドに倒れ込むようにして寝てしまった。

