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第5章 磔の躾

横になって、ふと思い出した。
昼間、庭から見た館の形状を。

逃げるには、躾中の隙を狙うしかないということを…

昨日の午後は、男が一人で私を見ていた。

今日、庭とはいえ担当の弟子一人。

もしかしたら、チャンスはあるかもしれない。

私は一人で起き上がる訓練と、脚を浮かせて鍛えることを思いつき、夕食までの時間、布団のなかでこっそり体を鍛えた。

正座の重石を跳ね退けて、一人で起き上がれれば、逃亡のチャンスが訪れるかもしれない。