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淫の館
第5章 磔の躾

「ハチって、昨日の担当の名前ですか?」
「ああ、そこか。
俺達には名前がない。
住んでる部屋番号で互いに呼びあっているんだ。8号室にいるからハチ。
ちなみに俺はトイチ、11号室だ。
さて長話になったな。盥を代えてくるよ。」
男が汚れ物入れのバケツで手を洗い、私の着物を整え寝かしてくれる。
そして汚れたバケツと金盥、食器などを片付けに部屋を出ていった。
金盥とバケツを戻しにやってきた。
「もっとトイチさんと話がしたい。」
「悪いがそれも無理だ。
会話が許されるのは、世話の最中だけ、それに、会話の内容も許されていないものもある。
だから、俺は磔の世話が苦手だ。
それと、ハチも俺も部屋の外で呼ぶなよ。
これは部屋番号で名前じゃないし…」
「あ、ごめんなさい。」
「いや、いいんだ。じゃあ、おやすみ。」
「おやすみなさい。」

