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淫の館
第6章 脱走
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「夕げだ、取りに来い。」
担当の声かけが変わる。
私はベッドから起きて襖に向かう。マッサージをしながら眠ってしまったようだ。
腕が自由に動かせて、寝返りが打てることがどんなに幸せか実感した。
錘と足枷を繋ぐ鎖は多少長さがあり、ベッドサイドに置いても襖までは引き摺らずに行ける。
これが、私に鍛えさせない為の策だと知らず、自由さを満喫していた。
襖を開けると担当は、もう格子戸の施錠をしているところだった。
「ありがとうございます。」
声をかけても返事もなく行ってしまった。
最初は気楽に思ったが、僅かな会話が奪われたのだと気づかなかった。
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