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淫の館
第6章 脱走

食事の様子も変わっていた。初日の祝宴でみた一人用のお膳が襖の外に置かれていた。

内容は8分粥だけだが、匙と熱いお茶が乗せられていた。

お膳を室内に運び、正座して食べる。

「いただきます。」

誰も聞いていなくても挨拶して口にする。

熱っ…美味しい。

今までは、直に口をつけられるよう冷ました粥だったが、今日のは普通の熱さで、やはり味気はないが美味しく感じた。

こうやって自由を満喫できるのも男が磔を外してくれたからだ。

少し感謝の気持ちがわいた。
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