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淫の館
第6章 脱走

そして私はもう1つのことをした。

髪を抜いて障子扉とはめ殺しの窓の間の桟(さん)に置いた。

ここに来てからの日数分、同じような毎日で日付の感覚がなくなりそうだったから、今日で13日、明日で2週間になるところだった。

始めてから数日でそんなことも出来なくなるとは知らずに…


開けたついでに庭を見た。芝生と竹林しかない庭。

土山に火柱が立っていたのを思い出す。
私の全てが燃やされた炎。
あれから2週間、何度も抵抗したつもりだったけど、何も変わっていない。

あの日、世俗との、日常との繋がりを断たれてから何も変わっていないのだ。
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