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淫の館
第6章 脱走
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もうそろそろ昼食の時間だ。
男が最初に言っていたように、ここの生活に慣れ、時を知ることが出来るようになっていた。
今が何時なのか、躾が何時間されているのかはわからないが、昼食、夕食、宵、明け、朝食と、ここでの生活に必要な時はわかるようになっていた。
「まだここから逃げたいか?」
突然男が言い、弟子たちが一斉にこちらを見る。
なんと答えたらよいのかわからなかった。
「聞こえなかったか?まだここから出たいか?」
「もう、諦めました。」
「じゃあ、もう世俗には思い残すことはないのか?」
「いえ、子供たちに会いたいです。
一緒に暮らすことが叶わないのなら、一目みて話したいです。」
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