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淫の館
第6章 脱走

「そうだろう。それが母というものだ。
ならば賭けをしよう。」

「賭け?」

「そうだ、賭けだ。賭けるのはお前の命だ。」

「命…」

「今から、逃げ出していい。誰もお前を邪魔しない。
ここから逃げ出してみろ。」

「逃げきれたら?」

「そのまま帰っていい。」

「逃げきれなかったら、また、罰があるのですか?」

「清めのことか?」

「はい。」

「罰はない。ただし賭けている命をもらう。いいか?」

会えないなら、ここで無駄に生きていても仕方ない。
命を奪われても構わない。


「やります。賭けをします。」

「ただし、その枷は外せない。それがハンディキャップだ。いいか?」

「はい。」

「では行け。」
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