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淫の館
第6章 脱走
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弟子たちが見ていたが、誰も動かない。
男の合図に、竹に下げた錘が床に着くまで身を屈め、別れの挨拶とした。
担いでいた竹を潜って上体を起こし、腿の重石を払いのける。
痺れを堪えて慎重に歩を進める。足枷の錘があるからゆっくりと引き摺るように。
本当に誰も動かない。
格子戸も開いている。
私は振り向かずに拷問部屋を出た。
長い廊下をゆっくりと歩く。
いくつか扉があるが部屋番号はついていない。
台所などの共用スペースなのだろう。
たまに壁に手を付き、痺れに立ち止まりながら進んだ。
先日みた玄関がそこにある。閑散としていて何か違和感があった。
ミィーン…
自動ドアも普通に作動して、裸足のままだったけど外に出た。
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