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淫の館
第6章 脱走

「念のため言っておくがな、自動ドアは普段は施錠されている。

というか玄関自体がカモフラージュの為のもので普段は使わない。

だから、今も、裏口の靴を履いたままここを歩いている。

後で掃除を手伝ってくれるかな?」

「はい。」


さっきの違和感を思い出した。あんなに広い玄関なのに、下駄箱もスリッパもなく、脱いだ靴も一足も無かったことを…


病人のように運ばれて、また、拷問部屋に戻ってきた。

待機していた弟子たちがニヤニヤしていた。

「でも、人に見つからなかったら、逃げられたんですか?」

「そうだな、絶対不可能なら賭けにならないだろう。
私もそこそこフェアだからな。

ただ、山の中だから隣家までかなり距離がある。その格好で行くには無理があったかもしれないな。」


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