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淫の館
第6章 脱走
喉が…渇いた…
「誰か助けて…喉が…渇いた…」
「頭が暑いぃ…」
「死ぬ…死ぬぅ…」
叫んでも誰も出てくる様子はない。
そもそも、誰も聞いていないかもしれない。
「助けてぇ…」
「お水をくださいぃ…」
「頭を冷やしてくださいぃ…」
殺さないと言ったのに、やはり死んでしまうのだろうか。
子供に会えないなら生きていても仕方ないのではなかろうか。
「死にたくないぃ…
許してくださいぃ…
館主様…許してくださいぃ…」
私は初めて男を館主様と呼んだ。