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淫の館
第1章 入館までの流れ 初日

「もし、リストに変更があるなら、チェックを変えてください。」

男が胸ポケットからボールペンを取り出してガラステーブルに置く。

カチッ…

っと音がして、それが最終通告のように思えた。

「もちろん、会ってみて、キャンセルということも含めて、お考えください。」

そう言ったが、男の容姿はいわゆる普通、平均で、
会って嫌うような部分はない。
恋愛対象かどうかを求めているのではなく、
私は、飢えを満たされたいだけなのだ。
だから、会ってキャンセルするほど、男を嫌う点は、何もなかった。


「大丈夫です。何も変更はありません。」

「それは良かったです。では、お支度をお願いします。

シャワーを浴びて、湯船に浸かってリラックスしてください。

上がってきたら、バスローブだけを身に付けて戻ってきてください。」

貴重品ボックスに鞄を入れて鍵を持つように言われて、私はバスルームに行った。

出掛ける前に入浴してきたけれど、今一度丹念に体を洗い、ゆっくりバスタブに身を沈める。

ここを出ればいよいよ…
そう思うと緊張と期待に苛まれ、バスローブを羽織って部屋に戻った。


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