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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第32章 MMAサークル設立、カズのプロデビュー
男同士が寝技をしていると、BL(ボーイズラブ)みたいなストーリーの展開を想像する者もいるが、ハッキリ言ってそんな展開になるはずがない!

何が悲しくて男同士が互いの技術を磨くとはいえ、時には抱き合うような膠着した状態になっても決してあんな世界にはならない。

あれはあくまでも小説やマンガだけの世界だ。

むさ苦しい男同士の世界で住んでいるんだ、出来れば女と寝技の練習をしたいぐらいだ。

話は逸れたが、三年生になり、進学の事も考えなきゃならない。

幸いオレたち3人はエスカレーター式に付属の大学へ進む事が出来た。

オレとヒロトは経済学部、カズは教育学部へ進学し、3年間過ごしてきたこの寮から離れ、春には実家に戻り、大学に通う事になった。

経済学部の校舎は都内にあり、教育学部の校舎は高校から少し離れた駅の近くにある。

カズが教育学部を選んだのは小久保さんがインストラクターを務める総合格闘技のジムへ入門し、プロとしてやっていくつもりだ。

オレとヒロトはいくらスパーリングしてもカズには勝てなかった。

小久保さんもカズのセンスと潜在能力を評価し、オレたちが高校を卒業したと同時に二足のわらじを履いていた寮長を辞め、ジムのインストラクターに専念した。

小久保さんはカズを一流の格闘家へ育てる事を選んだ。

卒業と同時にカズはアマチュアの大会に出場して好成績を収め、大学二年生の時、ついにプロデビューする日がやってきた。

総合格闘技イベント【KINGDOM】でデビュー戦を行う。



そしてこの大会はヘビー級トーナメントのGPが開催し、各国の格闘家が都内の大会場で熱戦を繰り広げる。

だがオレはこの大会に兄がセコンドとして来日していたのを知るのはそれからかなり先の事だった。

第一章 完
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