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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第6章 早く逃げたい
早く中学を卒業したかった。
早く家を出たかった。

どこでもいい、とにかく母親の下から逃げたかった。

そして父親が今、何処に住んでいるのか?

母親はしっているはずだ。
だが、それを言えば、オレが父親に会いに行くと思い、言わなかったのだと思う。早く母親の下から離れる事が先決だ。

何故親子が肉体関係を持たなきゃならないんだ?

まだオンボロアパートで朝方男を連れ込んで情事に耽っていた頃の方がマシだった。

当時は母親と過ごす時間があまりなかった。
母親と一緒にいたいと思っていた時期もあったが、今は店を他の人に任せ、殆ど顔を出さなくなった。

それが今や息子の身体を弄ぶセックスに飢えた女に過ぎなかった。

母親は何不自由なく、オレが欲しがる物を買い与えてくれ、そして小遣いが欲しいと言えばいくらでも渡してくれた。

オレは母親の夜の相手をする代わりに小遣いを貰っていた、つまり実の母親に買われていたという表現の方が正しいのか…

親子同士で売春をしてるようなもんだ。

進路をハッキリと決めなければならない時期に差し掛かり、オレは随分と悩んだ。

中卒で働く事も考えたが、現実的にそれは難しいだろうと思い、断念した。

今はこれといった目標は無いが、高校に入り、そして大学に進学しよう、それまでの間に何かやりたい事が見つかるはずと漠然と将来の事を考えていた。

じゃあ、何処の高校にする?そしてどうやったら母親の下から離れ、生活するか…



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